貿易戦争リスクで株価は低迷、ドルは堅調

10日午後の東京市場でドル・円は上値が重い。節目の152円を目指すものの、一段の戻りを抑えられている。米10年債利回りはやや低下し、ドル買いは後退。ただ、日経平均株価や上海総合指数などアジアの主要指数は堅調で、円買いは後退したもよう。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円26銭から152円21銭、ユーロ・円は155円74銭から156円82銭、ユーロ・ドルは1.0286ドルから1.0318ドル。

10日午後の東京市場でドル・円は小高く推移し、節目の152円付近に値を戻した。日経平均株価は上げ幅を拡大したほか、上海総合指数と香港ハンセン指数は堅調地合いを維持。アジア株高を受けたリスク選好の円売りで、主要通貨は対円で下げづらい。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円26銭から152円21銭、ユーロ・円は155円74銭から156円82銭、ユーロ・ドルは1.0286ドルから1.0318ドル。

10日午後の東京市場でドル・円は底堅く推移し、151円90銭台でのもみ合い。米トランプ政権による関税強化で貿易摩擦が警戒され、全般的にドル買い・円買いの地合いが続く。一方、米株式先物はプラスを維持しており、株高期待の円売りも観測される。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円26銭から152円21銭、ユーロ・円は155円74銭から156円82銭、ユーロ・ドルは1.0286ドルから1.0318ドル。

ドナルド・トランプ米大統領（(link)）が、鉄鋼とアルミニウムを含むさらなる関税引き上げが間近に迫っていると警告したことを受け、アジア株は小動きとなり、ドル円はじり高となった。

エアフォース・ワンで記者団に語ったトランプ大統領は、月曜日に米国に輸入されるすべての鉄鋼とアルミニウムに25％の関税をかけ、火曜日か水曜日に他の相互関税を発表すると述べた。

この発言は、ドイツのオラフ・ショルツ首相（(link)）が、米国が欧州製品に関税を課した場合、欧州連合（EU）は「1時間以内に」対応する用意があると述べた直後のことであり、貿易戦争激化のリスクを浮き彫りにした。

中国による米国の輸出品への報復関税は月曜日に発効する予定だが、北京とワシントン間の進展はまだ見られない。

フランクリン・テンプルトン・インスティテュートのスティーブン・ドーヴァー代表は、「これはトランプ大統領にとって戦略的な交渉手段にもなり得るし、貿易戦争の長期化の始まりにもなり得る」と述べた。

「米国からの輸入品の半分近くは国内企業への投入品であり、企業はコスト上昇を消費者に転嫁するか、利幅の減少を吸収するか、サプライチェーンを完全に調整しなければならない。

アナリストは、トランプ大統領が関税の対象とする国の通貨は、輸出の競争力を維持するために、税金の一部を補うためにドルに対して下落する傾向があると想定している。

また、関税は米国のインフレ率に上昇圧力をかけ、連邦準備制度理事会（FRB）の政策緩和の余地をさらに狭める可能性がある。

市場はすでに、金曜日に発表された雇用統計（(link)）を受けて、今年の利下げ幅を約42bpからわずか36bpに縮小していた。

パウエルFRB議長が火曜日と水曜日に下院で証言する予定だが、関税が政策に与える影響が話題となることは間違いない。

また、パウエル議長の水曜日の証言は、1月の消費者物価統計の後に行われる予定である。

金曜日に発表された消費者調査（(link)）では、長期的な見通しは安定しているものの、今後1年間のインフレ期待が急上昇していることが示された。

ドルは利回りと共に上昇

投資家はドル高に反応し、ドル・インデックス は108.265と堅調だった。ユーロは0.1％下落して1.0315ドル となり、貿易にさらされる豪ドルは0.6270ドル となった。[米ドル］

ドル円は0.3％上昇し、151.87 となった。日銀 (link) が今後数ヶ月のうちに利上げを実施するとの観測から、このところ失われていた分を取り戻した。 (0#JPYIRPR)

MSCIの日本以外のアジア太平洋地域の株式で構成される最も幅広い指数 (.MIAPJ0000PUS)は0.3％下落し、日本の日経平均 は0.1％上昇した。韓国の主要株価指数 は0.1％下落し、鉄鋼メーカー (link)。

中国の優良株 3は、1月の消費者インフレ率（(link)）が過去5カ月で最速に加速したとのデータによってデフレへの懸念が和らぎ、ほとんど変動がなかった。

北京は再び人民元の固定値を固めた (link)、それでも3週間ぶりの安値となる7.3078 近辺まで緩和した。

EUROSTOXX50先物 は0.2%上昇し、FTSE先物 も上昇した。

ウォール街の先物は下げて始まったが、投資家たちが今週も忙しい決算を控えていたため、すぐに上昇した。S&P500先物 は0.3％上昇し、ナスダック先物 は0.5％上昇した。

株価は先週、いくつかのまちまちの決算数字によって揺れ動いていたが、一株当たりの利益成長率は12％で、初期の予想であった8％を上回っている。

ゴールドマン・サックスのアナリストは、「関税は、2025年のEPS予想に対する主要な下振れリスクだ」と警告した。

「政策の不確実性の高まりは、株式のリスクプレミアムを上昇させ、フェアバリューへの下方圧力を意味するため、バリュエーションへのダウンサイドリスクとなる」と彼らはノートで述べた。

インフレ再燃のリスクも国債を低迷させ、10年債 の利回りは先週の安値4.400％から4.490％になった。

ドル高と利回りの上昇は、金価格が1オンス2886ドル と過去最高値を更新するのを妨げなかった。[GOL/〕。］

このため、新たな課税を回避するために米国に出荷される現物の金需要がロンドンで高まり、LME金先物を売ってコメックス先物を買う動きが反映された。

月曜日、金は0.5％高の1オンス＝2876ドルだった。

貿易戦争が世界経済の成長、ひいてはエネルギー需要に打撃を与えるとの懸念から、原油価格はあまり芳しくない。

それでも、市場は3週間続いた損失から立ち直り、ブレント は51セント高の75.17ドル、米国産原油 は45セント高の71.45ドルとなった。

10日午後の東京市場でドル・円は伸び悩み、151円80銭台でのもみ合い。日経平均株価はプラスを維持、中国・香港株も堅調でアジア株高を好感した円売りに振れやすい。ただ、米トランプ政権による貿易摩擦が警戒され、一段の円売りは抑制された。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円26銭から152円21銭、ユーロ・円は155円74銭から156円82銭、ユーロ・ドルは1.0286ドルから1.0318ドル。

10日午後の東京市場でドル・円は上値が重く、151円90銭台でのもみ合い。日米首脳会談の無難通過でリスク回避の円買いは後退し、主要通貨は対円で下げづらい。一方、日経平均株価は前週末終値付近でやや不安定な値動きとなり、円売りは限定的。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円26銭から152円21銭、ユーロ・円は155円74銭から156円82銭、ユーロ・ドルは1.0286ドルから1.0318ドル。